環境技術
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研究論文
抗インフルエンザウイルス薬の水環境中挙動および患者数との関係
高浪 龍平
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2012 年 41 巻 6 号 p. 380-387

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抄録

新型インフルエンザの発生に伴い,使用量が増大している抗インフルエンザウイルス薬に注目し,冬季における河川水および下水中より検出を試みた.まず,前処理方法を最適化し,リレンザおよびタミフルの同時分析法を開発した.その方法を用いて河川水および下水処理施設の流入水,処理過程水,放流水中から比較的高濃度のリレンザ,タミフルおよびタミフル代謝物質が検出され,リレンザの濃度はタミフルの 1/3,タミフル代謝物質の 1/10 程度であった.下水処理施設における挙動から抗インフルエンザウイルス薬は下水処理過程において十分に処理されないまま環境中に放出されていることが明らかとなった.また,インフルエンザの流行と水環境中の抗インフルエンザウイルス薬濃度の推移には関係が見られたがこれらには不明な時間差がみられた.しかし,薬品の用法・用量,服用期間,代謝および排泄を考慮することで解消され,水環境中の抗インフルエンザウイルス薬濃度が予測可能となった.

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© 2012 環境技術学会
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