環境技術
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悪臭の感覚的測定における三点比較臭袋法の検討
― (1) 環境測定の方法について―
西田 耕之助増田 淳二山川 正信
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1986 年 15 巻 12 号 p. 956-967

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抄録

悪臭防止法にもとつく悪臭規制が, 8種の悪臭物質に対する個別濃度規制であることから, 実際の現場臭気, すなわち複合臭気の規制に対して無力となっている.そこで, 臭気を直接に人間の嗅覚を利用して評価する官能試験法にもとつく規制が重要視され, 東京都の三点比較臭袋法が環境庁から官能試験の指針として示された.しかし, この方法は環境測定と排出口測定と異なる内容をもっていることなど問題点が残されている.
そこで, 本文では環境の定の方法と測定精度について若干の検討を行った.その結果, 現在の環境測定の方法で提示されている式は, においの希釈倍数と三点比較臭袋法の正解率との関係を表わすものとはみなし難い.この方法で得られる臭気濃度値の90%信頼区間は概ね1オーダの範囲である.また, パネルによる測定値のバラツキは2オーダにも達する.さらに, 環境測定の方法と同様にされるべきであることが明らかになった.

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