環境技術
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廃棄物の溶流現象の解析とその応用に関する実験的研究 (1)
藤本 忠生河杉 忠昭藤内 博征石原 栄彰清水 洽阿部 清一上林 史朗
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1988 年 17 巻 9 号 p. 607-611

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抄録

廃棄物を速やかに, より安全かっ安定的に無害化, 減量・減容化し, 更に, 処理生成物であるスラグの利用によって, 廃棄物の最終処分場用地の供用期間を長くする方法の一つとして, 廃棄物の溶融処理が注目されている.
溶融処理は, 処理対象廃棄物の灰分を, 最終的に溶融・溶流させるので, 廃棄物の溶流性測定は, 溶融炉の設計と運転操作の最適化に極めて重要な情報を提供する.ここでは外筒回転表面溶融炉に適した溶流性測定法を考案し, この測定法を用いて, 廃棄物の溶融炉での処理性を実験室的に予測できることを明らかにした.
廃棄物の溶流性は, 元素成分組成と操作温度に影響を受ける.廃棄物中のSiO2, A12O3, Fe2O3含有率を変化させて, 溶流性に及ぼす元素成分組成の影響を種々検討した結果, 廃棄物の溶流性は, CaO/SiO2比が0.5~1.5の範囲で, 又, Fe2O3, など塩基性酸化物含有率の増加に伴い, 極めて良好になることを明らかにした.

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