嫌気性処理法による廃水処理は, 処理設備の建設費と運転費が好気性処理よりも経済的であるため, 省エネルギー, 省資源の観点から近年, 注目をうけている.
本実験は, 澱粉を水道水で懸濁した人工廃水について, その分解性を調べたものであり, 供試液のTOD (全酸素消費量) 濃度は20000mg/l, SS濃度は15000mg/lであった.
実験の結果, SSの成分である澱粉は嫌気バクテリアによってメタンガスに分解され, TOD除去率95%前後, SS除去率95%の値を示した.これにより廃水中の有機性固形物をメタンガスとして有価物の形で回収可能な嫌気性処理の適用分野の拡大の目途がたった.