廃河川敷などにおいて新たに開発行為が実施される際には, 廃河川敷内の土砂や砂礫の採掘, 搬出が行われ, そこで発生する土砂粉塵の周辺環境への影響について事前評価が必要となる.そこで本研究では, 発生粉塵の影響予測において基本要素となる, 土砂の採掘, 運搬時に発生する土砂系粉塵について, 質的および量的性状に関して調査研究を行った.すなわち, 廃河川敷採掘におげるブルドーザーおよびパワーショベルによる土砂の採掘作業, ならびに採掘土砂を搬送するダンプカーの走行によって発生する粉塵の飛散量に係わる原単位を明らかにするために, 作業工程が類似している土砂採掘地において実際に粉塵濃度の測定と気象観測を行い, その結果の解析から最も妥当と考えられる発生原単位を算出した.
その結果, ダンプカーの搬出走行による巻き上げ粉塵量は, 粒径範囲5.4~10.9μmで約0.44g/台/m, 1.6~5.4μmで約0.37g/台/m, 0.7~1.6μmで約1.3g/台/m, 0.7μm以下で約1.3g/台/mと推定された.また, 採掘土砂の積み込み作業での発生量は, 粒径範囲5.4~10.9μmで約1.0g/台/回, 1.6~5.4μmで約0.8g/台/回, 0.7~1.6μmで約2.4g/台/回, 0.7μm以下で約5.0g/台/回と推定された.
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