1990 年 19 巻 2 号 p. 125-130
皮革加工工程から生ずる皮革汚泥の嫌気性消化について, 回分法により添加濃度を0~75, 000mg/lまで変化させて消化温度の影響を調べた.その結果, 中温消化 (37℃) では, 初期汚泥濃度が75, 000mg/l以下では順調なガス発生を示し, ガス化率は, 約720ml/g, メタン化率は, 約560ml/gの値を得た.一方, 高温消化 (55℃) では, 汚泥濃度が25, 000mg/l以上になると低級脂肪酸等の代謝産物の蓄積によってガス生成が阻害されることを認めた.また, 皮革汚泥の加熱前処理の効果は認められなかった.