環境技術
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酸素活性汚泥循環変法による難分解性有機物の除去
玉木 勉
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1991 年 20 巻 7 号 p. 432-436

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抄録

難分解性有機物は, BOD5除去を主目的としている下水処理の観点から通常の二次処理では除去困難な物質と位置付けられ, 最近では湖沼や内湾の水質汚濁の観点から注目されている.難分解性有機物は, 物理化学プロセスにより三次処理で除去することも可能であるが, 運転管理費が高くなることから, 生物学的高度処理により対処する方法も検討されている.たとえば, 長SRT (30-50日) 活性汚泥法によりPVAを効率的に処理した報告がある.一方, 脱窒プロセスを組み込むことにより難分解性有機物や有機ハロゲン化合物の除去能が高まることも報告されている.本研究は, 皮革工業廃水を90%含む都市下水を対象として酸素活性汚泥循環変法の処理実験を行い, 生物学的高度処理による難分解性有機物の処理性能を実証しようとしたものである.実験結果から, 酸素活性汚泥循環変法による有機性の溶解性CODMn (亜硝酸を補正した値) の除去率は, 標準的な酸素活性汚泥法と比較して12-16%良好な結果を得た.この循環変法によるBOD5, 溶解性CODMn, SS及びT-Nの除去率は各々99%, 82%, 98%及び88-85%であった.

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