抄録
一般廃棄物焼却灰埋立地からの重金属溶出に及ぼす雨水酸性化の影響に関して, 屋内カラム通水実験により検討した。実験は, 焼却残灰およびEP灰を用いて, 16年分の降水量に相当する模擬酸性雨水 (pH2.0~pH5.8) を通水して行なった.主要な知見は次の2点である. (1) 現時点での酸性雨とほぼ同じ程度の模擬酸性雨水 (pH4.0) によっても, 水道水 (pH5.8) に比べて, 焼却残灰からの重金属 (Pb, Zn, Fe) 及びCaの溶出量はそれぞれ11~50%及び85%増加し, EP灰からの重金属 (Pb, Cd, Zn, Fe) の溶出量は15~90%増加した. (2) 重金属の溶出量及び溶出率を焼却残灰とEP灰とで比較すると, 通水pHによらず, 溶出率はPb, Zn, FeともにEP灰が高いが, 溶出量はPb, ZnはEP灰が多くFeは焼却残灰が多かった.