1999 年 28 巻 10 号 p. 745-752
TCE・PCE等による土壌・地下水汚染修復技術としては, 土壌については真空抽出法が, 地下水については揚水曝気法が主流であり, 取り出されたTCE等を含有する汚染ガスは活性炭に吸着させ回収するのが通例である.しかし, 活性炭吸着技術は回収と運搬, 焼却にコストがかかるだけでなく, DXN発生のリスクもあり, 技術の多様化を図る観点から最近は化学酸化法による汚染現場での分解無害化技術が注目されている.
本研究ではTCE等の汚染ガスを紫外線により分解させ, 分解生成物をガス系から水系に吸収させ, 液中に移った有機物 (ハロ酢酸類) を微生物により分解無害化するUVプラスシステムについて検討した.本システムではTCE8000ppmvという高濃度汚染ガスでも数秒で分解でき, 汚染源にも対応できるとともに, 微生物難分解性であるハロ酢酸類も分解でき, TCE等を現場で無害化できることを確認した.