環境技術
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膜分離法を利用した油脂分解微生物の培養
―油脂分解菌の探索を中心として―
奥田 友章古崎 康哲石川 宗孝中西 弘
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1999 年 28 巻 9 号 p. 654-659

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抄録

本研究では, 膜分離活性汚泥法を用い, 投入する有機炭素源を油脂のみとし, 油脂分解微生物を培養した.油脂分解微生物の油脂分解特性について調べるために, 回分実験を行った.また, 油脂分解に直接関与する細菌を探索するために, 細菌学的手法により油脂分解微生物を構成する細菌を単離し, 同定した.その結果, 以下のような知見が得られた. (1) 油脂分解微生物は対照微生物 (活性汚泥) と較べて, 最大油脂除去速度定数は約2倍であり, 油脂分解能力が高い. (2) 油脂分解微生物は対照微生物と較べて, 油脂の加水分解能力が高い. (3) 24株の単離菌の内, 油脂の分解に関与する細菌7株中6株はNocardia属であった. (4) 単離された細菌7株はすべて, 油脂の加水分解能力および, 遊離脂肪酸の分解能力を有することがわかった.

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