環境技術
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舗装材の表面特性と表面温度の関連性に関する実験的研究
吉田 長裕西村 昂日野 泰雄
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2000 年 29 巻 7 号 p. 560-568

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抄録

道路舗装面は, 夏季において蓄熱により高温になり, その結果, 歩道等道路空間の熱環境に悪影響を与えている.この実態を定量的に把握するために, 歩行者の知覚と物性の両面から熱環境の実態と問題点を考察した.その結果, とくに夏季の日中を中心に道路の表面温度が著しく高くなることが観測され, 特に日射や路面の熱気が歩行者の感じる暑さや不快の大きな原因となっており, 両者の間に密接な因果関係があることがわかった.そこで, これらの要因となる舗装材の表面特性に着目し, 表面の色と面積の2つの指標を取り上げ, 表面温度変動との関係を定量的に分析した.
その結果, 表面の明るさを表す明度と表面温度の間には負の相関が見られ, 明度を上げることで表面温度の上昇を抑制できることを示した.また路面に凹凸をつけ, 表面積を向上させることが, 夜間における路面の熱放射を促進させ, 表面温度を下げ得ることを定量的に示した.

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