環境技術
Online ISSN : 1882-8590
Print ISSN : 0388-9459
ISSN-L : 0388-9459
水素生成菌による使用済みコピー紙の水素への変換
田口 文章松下 敏也能見 雅信
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 32 巻 6 号 p. 495-501

詳細
抄録

使用済みコピー紙を工業用粗セルラーゼE-CELで加水分解し, 得られた還元糖を水素生成細菌Clos-tidium beijerinckiiAM21B株で水素に変換する条件を検討した.温度45℃, pH4.5の酢酸緩衝液400mlとセルラーゼ2, 790mgを用いてコピー紙量39.6gを連続的に120時間加水分解し, コピー紙の67.5%に相当する26.72gの還元糖が回収された.
還元糖5gを添加したPY培地1lに水素生成菌AM21B株を接種して, 37℃で培養した.培養開始1~2時間後に水素の発生が認められ, 6~7時間後に1時間あたりの水素生成量は最大となり, 総量としてグルコース5gから2, 719mlと加水分解物59からは3, 953mlの水素が発生した.
これらの結果は, 安価な工業用粗セルラーゼが入手できると, 裁断されたコピー紙は焼却しないで水素生成細菌を用いて水素に変換できる可能性を示した.

著者関連情報
© 環境技術学会
前の記事 次の記事
feedback
Top