抄録
当院で根治を目的として治療を行った原発性早期胃癌93症例104病変について検討した。70症例81病変にESDを行い,79病変(97.5%)が一括切除され,内75病変(92.6%)がpLM(-)&pVM(-)で局所完全切除であった。ESDの偶発症は,出血が6例(7.4%)であり,内5例は遅発性出血であった。穿孔は2例(2.5%),幽門狭窄が2例(2.5%)で,呼吸器合併症は認めなかった。治癒切除は71病変(87.7%)で,非治癒切除となった10病変中8病変(9.9%)は術前診断に問題があった。手術切除23症例23病変中,pMまたはpSM1で,かつly0/v0/pN0が11症例(47.8%)であり,当院でのESD治癒切除基準を満たす症例が5例(21.7%)含まれていた。局所完全切除率・偶発症率から,ESDは技術的には妥当であると思われたが,術前評価精度の可及的向上が今後の最大の課題であると思われた。一方,ESDが技術的に安定し,術前診断精度に課題が残る現状では,ESDと外科的切除の適応判断が困難な場合には,手術を前提としたESDを行い,正確な病理診断に基づき,外科的切除が必要な症例には手術を行う2-step切除の可能性の検討も必要であると思われた。