2004 年 33 巻 8 号 p. 620-630
培養法と分子生物学的手法 (FISH法, PCR-DGGE法) により, 厨芥のコンポスト化過程における細菌相の解析を試みた.培養法によりグラム陽性低GC含量の細菌群を34株分離し, さらに, 発酵初期の高温環境下において有機物分解の主役を担うことが考えられる細菌群として好熱性細菌のGeobacillus thermodenitrificansとGeobacillus toebiiを特定した.FISH法による解析の結果から, コンポスト化初期の高温環境下ではグラム陽性低GC含量グループの細菌群が優占しているものと考えられた.Ureibacillus thermosphaericusもしくはその類縁菌種と推察される細菌群は, 培養法では分離されなかったがPCR-DGGE法によりコンポスト中での存在が示唆された.