抄録
世界の石油埋蔵量は1000億klといわれるが, 毎年35億klも消費する現状では, 遠からず枯渇すると危惧されており, 新しいエネルギー源として原子力利用の実用化と太陽エネルギーの有効利用の研究が活発に進あられている.
原子力発電における使用済燃料や原子炉で生産されるCo-60などの放射性同位元素からγ線が放射され, 電子加速器から加速電子線が発生でき, 太陽や水銀灯からは紫外線が放射される.
これらは高エネルギー電磁波, 電子線および光であって, 物質に作用してイオン, ラジカル, 励起分子などを生成するので, 室温以下の低温度でも高温下の反応と類似の化学反応を起こすことができるという特徴を備えている.
以下, これらの放射線や光で誘起される化学反応に注目し, 大気, 水, および固体中の有害成分の無害化など, 環境を保全するために役立つ化学技術の基礎と応用を学び, 原子力時代における環境保全の放射線化学と光化学の将来に資する.