海上での油膜の拡がりに関する研究の現状と問題点
1980 年 9 巻 3 号 p. 222-229
詳細
1980 年 9 巻 3 号 p. 222-229
本総説は海上での油膜の拡がりに関する研究を紹介・解説するとともに, その問題点や研究の動向をまとめたものである.
本文でははじめに静止水面での油膜の拡がり機構を解説し, 拡がりの大きさを表わす関係式についての既往の研究結果の比較を表にして示した.次に実際の海上での観測例との比較を行ない, これまでの研究上の問題点を指摘した.それらの問題点の一つとして油膜の拡がり速度に及ぼす風の影響を取上げ, 関連の研究を紹介するとともに風の影響について検討を加えその影響が大きいことを示した.
また最近の研究のうち, 海洋拡散との関連ならびに氷と海水とが共存するような条件下での油膜の拡がりに関する研究についての紹介も行なった.
