脳科学とリハビリテーション
Online ISSN : 2432-3489
Print ISSN : 1349-0044
症例報告
左の延髄背外側および小脳虫部梗塞によりlateropulsionが遷延した症例
岡本 善敬山本 哲武下 直樹沼田 憲治
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2013 年 13 巻 p. 17-22

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抄録

lateropulsionとは, 無防備な側方への傾倒により立位・歩行が困難となるが, 短期間に改善をみる症候である. また, 延髄外側梗塞を責任病巣としWallenberg症候群に伴って出現することが多いとされる. 今回, Wallenberg症候群を認めるも, 主症状であるlateropulsionが遷延した症例を経験した. 症例は60歳男性. MRIでは左の延髄背外側とともに小脳虫部に梗塞を認めた. これらはいずれも背側脊髄小脳路から情報を受け, 無意識下での姿勢制御に関与する領域であることから, lateropulsionが遷延する要因になったと考えられる.

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© 2013 脳機能とリハビリテーション研究会
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