日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第49回大会
セッションID: P1-28
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損傷・修復(回復・DNA損傷・修復関連遺伝子[酵素]・遺伝病)
染色体の恒常性維持に必要とされるDNAヘリカーゼPIF1の機能解析
*顧 永清増田 雄司神谷 研二
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抄録
DNAヘリカーゼはDNA複製、修復等DNA代謝に必要不可欠な酵素の一つである。DNAヘリカーゼのいくつかは、その欠損が正常なDNA複製や修復反応を妨げることにより遺伝病の原因となることが知られている。また、それらの遺伝子を欠失した細胞では電離放射線や紫外線に高感受性となることから、放射線からの生体の防御に重要な機能をもつことが明らかとなっている。
 酵母の遺伝学的解析から、SF Iスーパーファミリーに属するDNAヘリカーゼPIF1はDNA複製の円滑な進行に必要不可欠な因子であることが示唆されている。この遺伝子は、酵母から哺乳類まで広く保存されていることから、DNA代謝に重要な遺伝子であると考えられた。
今回我々は、ヒトPIF1遺伝子を同定しその機能解析を行ったので報告する。クローニングしたヒトPIF1 cDNAは、641アミノ酸残基からなる69 kDaのタンパク質をコードした。このPIF1遺伝子は、染色体15q22にマップされ、13のエキソンから構成されていた。この遺伝子の生化学的機能を明らかにするために、組み換えタンパク質を精製した。精製したPIF1タンパク質はDNAヘリカーゼの特徴である単鎖DNA依存的ATPase活性をもつことを証明した。
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© 2006 日本放射線影響学会
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