抄録
放射平衡にあるウランとリンモリブデン酸アンモニウム(AMP)を混合するとラドンの娘核種であるPb-21およびBi-214からのγ線のカウントが異常に低下する奇妙な現象を発見した。低下は、室温で1/2、60℃で1/4にも達する。この効果は液体窒素温度で消失し室温に戻すと回復するという可逆現象であり、温度によるラドンの物理化学的性質の変化がこの現象発現の鍵を握っていることを示唆している。ナトリウム塩ではこの効果はさらに大きく、室温で <1/10、60℃で<1/30まで低下する。KX線から2 MeV以上の広いエネルギー領域にわたりカウントが一様に減少することも奇妙である。何らかの未知の相互作用によって放射性壊変が抑制(停止)されたか、放射線の放出が抑制され、あるいは観測出来ない「未確認物質」に変化したかとしか考えられない。鉛や鉄による遮蔽とは原理が異なるこの現象を説明するには新しい物理学の構築が必要である。この現象が理論的に解明されれば、放射性廃棄物問題への適用など、夢のような応用分が拓ける可能性がある。