日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第50回大会
セッションID: EP-149
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放射線効果の修飾因子
ポラプレジンクのラット小腸クリプト細胞における放射線誘発アポトーシスの抑制効果
*松山 睦美七條 和子岡市 協生中山 敏幸中島 正洋関根 一郎
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抄録

胃潰瘍治療薬として用いられているポラプレジンクは亜鉛とL-カルノシンの錯化合物で、抗酸化作用、粘膜保護作用、創傷治癒促進作用を持つことが報告されている。今回我々は、ポラプレジンクがラット小腸クリプト細胞の放射線誘発アポトーシスを抑制するかどうか検討した。 7-8週齢のウィスターラットに、ポラプレジンク100mg/kgを経口投与したポラプレジンク群と、2 %カルボキシメチルセルロース (CMC) 溶液を投与したコントロール群に2 GyのX線全身照射を行った。照射後1, 2, 4, 6時間後の空腸を摘出し固定後、長軸方向に包埋、薄切を行い、HE染色にてクリプト細胞のアポトーシス細胞をカウントした。さらにTUNEL染色、Active Caspase-3染色を行い、陽性細胞をカウントした。ウェスタンブロット法にて空腸組織の照射後のp53の蓄積、p21の発現を調べた。ポラプレジンク群の小腸クリプト細胞のアポトーシス数は、2 Gy照射後2, 4, 6時間でコントロール群に比べ、有意に減少した。ポラプレジンク投与群のTUNEL及び Active Caspase-3陽性細胞もコントロール群に比べ有意に減少した。コントロール群の小腸組織内のp53の蓄積、p21の発現は、照射後2, 4, 6時間と増加するのに対し、ポラプレジンク投与群ではコントロール群に比べ低値であった。ポラプレジンクの照射前投与は小腸の放射線誘発アポトーシスを抑制し、その機序の一部はp53経路を介していることが示された。

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© 2007 日本放射線影響学会
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