抄録
【目的】各種アガリクスの抗がん効果と放射線防護としての有無の検討を行った。メカニズムを検討するために抗酸化作用、SOD活性作用、免疫活性などを検討した。
【方法】C3Hを用いてSCC-7がん細胞を移植し、6Gy/3回分割局部照射を行った。各種アガリクスの投与方法は、毎日投与し、測定した。抗酸化実験としてSOD活性検出キットを用いて実験を行った。Tリンパ球の解析は、C57BLマウスを用いてフローサイトメトリーにてCD4/CD8解析した。また、IL2、IL12なども調べた。
【結果】コントロール群と照射群に比べて日本産アガリクスとブラジル産アガリクス投与群のTリンパ球の防護が認められた。また、IL2、IL12の活性から液性免疫の上昇も考えられる。抗酸化作用については、対照群に比べてAHCC投与群がSODの活性が認められた。また、各種アガリクス投与群の腫瘍成長が抑制された。
【結論】各種アガリクスが脱水素酵素の活性を下げ、一方でカタラーゼの活性度を上げながら腫瘍細胞の新陳代謝を妨げたと考えられる。各種アガリクスは細胞タンパク質と分裂指数の低下を引き起こすためとグルカンにより免疫活性により癌細胞の分裂増殖を抑制すると考えられる。