日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第50回大会
セッションID: GP-171
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実験治療と治療生物学
中皮腫モデルマウスにおけるPETトレーサーの比較検討
*辻 厚至曽川 千鶴須尭 綾須藤 仁美金 朝暉AUNG Winn豊原 潤小泉 満古川 高子原田 良信樋野 興夫鈴木 和年佐賀 恒夫
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抄録
悪性中皮腫は、胸膜や腹膜の中皮細胞から発生し、アスベスト暴露が原因とされている。現在のところ発症率は低いが、今後世界中で患者の増加が予想されており、大きな社会問題となっている。様々な治療法が試されているが、中間生存期間が8~18ヶ月と予後はたいへん悪いことから、新たな治療法の開発が強く望まれている。新しい治療法の開発には、その治療効果を非侵襲的にかつ早期に判定する画像診断法の開発が重要である。F-18標識フルオロデオキシグルコースを用いるポジトロン断層法 (FDG-PET) は腫瘍の診断に広く使われている。しかし、FDGは炎症性変化にも集積するために、治療部位に反応性炎症が発生した場合にも集積が見られるため、治療効果の早期判定には限界があり、炎症の影響の少ない他のトレーサーの検討が求められている。F-18標識フルオロチミジン(FLT)とC-11標識チオチミジン(S-dThd)はともにチミジン誘導体の核酸代謝トレーサーであり、FDGに比べ炎症部位に集積しにくいと報告されている。本研究では、中皮腫の同所移植モデルマウスを作成し、上述の3種類のPETトレーサーでの胸膜中皮腫のイメージングを比較検討したので報告する。
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© 2007 日本放射線影響学会
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