日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第50回大会
セッションID: GP-170
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実験治療と治療生物学
骨髄由来幹細胞は放射線大腸炎モデルの再生過程に関与する
*七條 和子三浦 史郎松山 睦美中島 正洋中山 敏幸坂本 雅志佐藤 浩高橋 利一関根 一郎
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キーワード: 放射線大腸炎, 骨髄, 再生
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抄録
子宮頸癌の放射線療法で晩期障害として発生する放射線腸炎は遅延し、難治性である。近年、骨髄幹細胞が肺や消化管の上皮細胞に分化するとの報告がある。放射線大腸炎モデルの修復過程における骨髄由来幹細胞の関与について検討した。1)Wild typeのWistarラットをレシピエント、Green Fluorescent Protein (GFP)遺伝子導入されているWistarラットをドナーとして骨髄移植を施行した。レシピエントラットの大腸にX線22.5Gyを局所照射し、放射線腸炎の修復過程を検討した。免疫染色により、抗GFP抗体陽性のドナー由来の細胞が大腸上皮細胞に僅かながら認められた。Western blotにより、大腸のX線照射部位にGFP蛋白の高発現が認められた。2)レシピエント雌性ラット、ドナー雄性ラットを用い同様にして、FISH(Y/12 chromosome)法にて骨髄由来細胞を同定した結果、Y chromosomeを陽性の大腸上皮細胞を認めた。以上より、放射線大腸炎モデルにおいて再生上皮における骨髄由来幹細胞の関与が明らかになり、再生医療の一環として骨髄移植があげられる可能性が示された。
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© 2007 日本放射線影響学会
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