抄録
原子力施設や医学、その他の分野において放射線源の使用が日々増加している。設計および操作における安全防護にも関わらず、放射線源に関わる事故は生じうる。これらの放射線事故ではいずれも、人々に対する影響は重篤である可能性がある。そのため、放射線緊急事態に被ばく者および緊急作業者を防護するため、迅速かつ適切に判断できる放射線評検出器が重要となる。このような放射線緊急事態に使用するヒューマンカウンターや医療用放射線検出器を超高感度で実現させるためには、高検出効率、エネルギー分解能、位置分解能が鍵になる。そこで本研究では、積層型シンチレーター(6×6×1cm3×3層)とNaIシンチレーター(6×6×1cm3×1層)の4側面にマルチアノード光電子増倍管(浜松フォトニクス社製、R8900-00-M16、16チャンネル)を16本配置したプロトタイプ検出器(側面の有効面積: 91%)を開発した。本講演では、プロトタイプ検出器の性能評価について報告する。