抄録
放射線防護の分野においては人を防護することにより、人以外の環境生物の防護は達成されると考えられてきた。しかし、近年、欧米を中心に人以外の環境生物の放射線防護に関心が集まっている。人以外の生物というと極めて広範囲に及ぶが、それらの放射線影響にどのような共通点があるのだろうか?今回のワークショップは、環境生物への放射線影響について広範な研究を進めている放射線医学総合研究所環境影響研究グループの久保田氏、府馬氏らの企画によるものであり、イネ科植物、樹木、微生物実験生態系、並びに節足動物における放射線影響を研究している研究者からの発表を通して、その多様性と共通性について討議することとした。生物学的な興味はもちろんのこと、「人以外の環境生物の放射線防護」という観点からも非常に興味深い企画であり、多数の参加を期待している。