抄録
近年、科学実験に多数の実験動物を使用することは、倫理的・経済的に困難になってきた。このため、これまでに行われてきた動物実験研究から得られた生データや標本を保存する重要性が高まってきている。寿命研究などの大規模動物実験は繰り返すことが非常に困難であり、得られたサンプルや生データは特に重要である。以上の観点から、環境科学技術研究所ではこれまでに病理学的検索で処理された全ての実験動物(マウス)のサンプルと生データを保存しており、試験実施規範(Good Laboratory Practice : GLP)に基づいて、サンプルや生データの保存管理方法の構築を行ってきた。今回、このシステムをどのように発展させてきたか、それぞれの研究のプロトコールにどのように導入したかについて紹介する。本記載事項は青森県からの受託事業により得られた成果の一部である。