日本放射線影響学会大会講演要旨集
日本放射線影響学会第54回大会
セッションID: SW1-4
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スペシャルワークショップ1. 福島第1原子力発電所事故に対する諸活動から見えてきたもの
影響学会Q&A活動を通してみた社会的影響
*松本 英樹渡邊 正己田内 広立花 章鈴木 啓司宇佐美 徳子松本 義久
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抄録

平成23年3月11日午後2時46分、宮城県沖の海底を震源とする観測史上最大のマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生した。この地震により波高10メートル以上、最大遡上高40.5メートルにも上る大津波が発生し、関東地方及び東北地方沿岸部に甚大な被害をもたらした。この地震および大津波により東京電力福島第一原子力発電所では全電源を喪失し、原子炉を冷却することが出来なくなり、1、3、4号機の建屋内で水素爆発が起こり、85万テラベクレルもの放射性物質が放出され、広範囲に亘って食物、飲料水、土壌、海水等が汚染された。
3月中旬には日本放射線影響学会会員有志グループ(Q&A対応グループ)により一般の方々からの放射能・放射線に関するメールによる問い合わせに回答する活動が始まった。そして頻度の高い質問、公表すべき質問およびそれらに対する回答を京都大学原子炉実験所のサーバーを利用してQ&Aサイトを立ち上げ、このQ&Aサイトは日本放射線影響学会ホームページに移管され、刻々と変わる情勢に合わせてブラッシュアップを繰り返しながら発信を継続させている。さらに現在、福島県および近隣県でのQ&A対応グループによる講演会の開催を検討中である。
ワークショップでは、Q&A対応活動および講演会活動を通じて見えてきた原発事故の社会的影響について概説し、今後日本放射線影響学会が担うべき役割と活動の展望について議論できればと考えている。

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© 2011 日本放射線影響学会
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