2020 年 38 巻 1 号 p. 72-78
秋田県内ではエダマメの作付拡大が推進されており,集落型法人や一戸一法人の作付拡大により全体として面積が拡大されている.産地規模拡大の中心的役割を担っている経営体において導入が見込まれるエダマメ収穫脱莢機の導入条件を検討した.慣行体系と同一の作付規模でトラクターアタッチ型や歩行型による収穫脱莢体系を導入した場合,10a当たり労働時間は減少するものの,所得も減少が見込まれた.トラクターアタッチ型の作業可能面積は慣行体系の2倍程度で,この規模まで拡大を伴った導入をすることで10a当たりの所得の向上が見込まれた.歩行型では作業可能面積まで規模拡大しても10a当たりの所得の向上が見込めなかった.このことから,トラクターアタッチ型による収穫脱莢体系は作業可能面積まで作付拡大することで,10a当たりの所得の向上が見込め,規模拡大する場合に推奨できる.