抄録
本手法で用いる対象物は, 厚みを持つ平面凹凸物体とする. Fig. 1に示すように入力データは受動型センサより得られる3次元線分群とする. 一般に得られた3次元線分には観測系の誤差により, 途中で線分が欠落したり, また位置がずれたりする. そのため, 面情報の獲得は, 線分間の完全な接続を仮定しない手法が必要となる. ここでは, 一つの平面上に少なくとも一組の接続する線分が存在するとの前提の基で面復元を行う. なおここで言う接続とは両線分の端点間の距離が所定値以下の場合とする.
Fig.2に処理の大まかな流れを示す. 入力線分の3次元位置関係をもとに, 実際に物体面が存在すると思われるすべての平面候補を探索し平面の方程式を決定する. 得られた平面候補のうち2平面が隣接する場合, その境界 (稜線) はこれら2平面の交線上に位置する. また, 頂点は3面以上の平面候補の交点に位置する. そこで, 稜線・頂点は, これらの交線・交点近傍での入力線分の存在の有無に基づき決定する. さらに面領域は, これら可能な接続関係の中から入力線分の位置, および物体の形状などに関する幾何学的関係に矛盾が生じないような組み合わせを選び出し, 決定する. この接続領域の決定法については後で詳しく述べる. これら面領域の接続関係からシーンの階層記述を得る.