抄録
手の位置と姿勢から6軸マニピュレータの関節角を計算するマルチマイクロプロセッサシステムについて論じている.システムは, パーソナルコンピュータ (6809) 1台とAPUを伴った7台のZ80CPUから構成される.システムは, アクセスタイムの非常に短い共有メモリ, およびタスク処理時間変動に対してCPUの同期をとる回路を有している.システムは, MIMD (多重の命令の流れと多重のデータの流れ) 型の並列処理を行う.
並列処理がより容易に遂行できるように関節角計算を改善する方法が提案されている.また, パーソナルコンピュータでも容易に実行できる, タスク処理のための発見的スケジューリング方法が提案されている.
従来の方法を用いて1CPUlAPUで処理する場合20msかかった関節角計算が, 提案したシステムと方法を用いると3.3msで実行できることが示されている.