日本ロボット学会誌
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ウィスカセンサとその複数信号の伝達
広瀬 茂男井上 壯一米田 完
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1988 年 6 巻 2 号 p. 101-108

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抄録

本論文ではまず新しいタイプの近接センサとして, 弾性ワイヤから成る触子とその触子が物体と接触したときの支持部に生ずる微少な曲がりを検出する毛根部から構成される「ウィスカセンサ」を提案する.ウィスカセンサの触子は, 材質としてTiNiの形状記憶合金が適することをピアノ線 (SWP) との比較実験で示す.毛根部の検出機構にはビット方式とアナログ方式があり, 特にビット方式は機構が単純小型かつ安価で多数ロボットに装着でき, また堅牢で, 劣悪な環境でも機能するなどの特性を有する.アナログ方式は光学センサによれば小型堅牢に構成でき, 距離情報をある程度の精度で検出できることを実験的に示す.
ついで多数のセンサをあたかも昆虫の触角あるいはほ乳動物のヒゲのようにロボットの周囲に多数配することが, ロボットの機能性と安全性向上に有効なことを示す.このような使用法では, 配線量を減少させることが重要となる.この問題に対する2つ解決法として, ラダー結線法とローカル処理法と名付ける2方式の提案をおこなう.ラダー結線した複数センサの簡単な実験および, 各脚センサに対しロカル処理を行うようにした4足歩行機械による歩行実験によって提案の妥当性を検証する.

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© 社団法人 日本ロボット学会
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