日本ロボット学会誌
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フレキシブルロボットアームの可補償性
姜 兆慧内山 勝
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1988 年 6 巻 5 号 p. 416-423

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抄録

ロボットアームの作業特性の解明は, 重要な課題で, 剛体ロボットアームについては, 系統的な研究が行われ, 問題は解決しつつある.しかし, フレキシブルロボットアームについては, エンドエフェクタの位置, 姿勢に影響する要因として, ジョイント変位だけでなく, リンク弾性変位があるため, 問題は複雑となり, 研究はまだ空白状態にある.これに対して, 本論文では, エンドエフェクタの位置, 姿勢と, それに直接影響を及ぼすジョイント変位とリンク弾性変位との間の写像関係を解析することにより, フレキシブルロボットアームの作業特性を体系的に分析する.まず, リンク弾性変位によるエンドエフェクタの位置誤差をジョイント変位により補償する可能性を分析し, 可補償性という新しい概念を提案する.そして, 可補償性を判定するためのいくつかの定理と命題を与える.また, 補償の容易さを評価する指標として可補償度という概念を導入する.さらに, 可補償性の概念を用い, フレキシブルロボットアームの可操作性を論じ, フレキシブルロボットアームの作業特性は, リンク弾性変位が存在するため, 剛体ロボットアームと比ベて低下することを示す.

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© 社団法人 日本ロボット学会
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