Journal of Surface Analysis
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バイオ材料分析を目指した飛行時間型2次イオン質量分析法のペプチドイオン検出感度増大法とインクジェットプリンターの応用
小松 学村山 陽平橋本 浩行
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2008 年 14 巻 3 号 p. 187-195

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抄録

 新しいバイオ材料の分析手法として飛行時間型2次イオン質量分析法(TOF-SIMS: Time Of Flight - Secondary Ion Mass Spectroscopy)が近年注目を集めている.本稿では,TOF-SIMS のさらなるバイオ材料分析への適用を目指して我々が開発を行ってきた,ナトリウム塩,または,酸の水溶液をTOF-SIMSの検出感度増強剤として用いる方法を紹介する.この検出増強剤を,ペプチド膜試料表面にわずかに滴下することにより,質量数7649 amuまでのペプチド分子イオンを高感度に,かつ,試料の分布状態を維持した状態でイメージ検出することに成功している.さらに,この検出法とインクジェットプリント技術の併用による,インシュリン分子や消化処理タンパク質フラグメントの微細な可視化についてを合わせて紹介する.

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© 2008 一般社団法人 表面分析研究会
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