2008 年 15 巻 1 号 p. 40-49
試料の表面から深い位置にある界面を高い深さ分解能で分析するために,集束イオンビーム(FIB: focused ion beam)加工装置を用いたリフトアウト法により薄片試料を作製し,オージェ電子分光法(AES: Auger electron spectroscopy)スパッタ深さ方向分析を行った.その結果,分析対象である界面が非常に深い場合にも,界面までの深さが数100 nmになるように薄片試料を所望の位置で切り出すことが可能であり,良好な深さ分解能で表面から深い位置にある界面を分析できることがわかった.また多層膜の断面のAES線分析では,断面試料表面の汚染および酸化により,実際には存在しない炭素層や酸化層が認められたが,リフトアウト法を用いて対象となる界面近傍からサンプリングした試料をスパッタ深さ方向分析することにより,表面汚染および表面酸化の影響を受けることなく測定できることを確認した.さらに,絶縁物試料については,リフトアウト法により薄片試料を作製することで,帯電の影響を受けることなく測定が可能であることがわかった.