Journal of Surface Analysis
Online ISSN : 1347-8400
Print ISSN : 1341-1756
ISSN-L : 1341-1756
技術報告
試料の分析高さ位置の不確定性を除外したW-Si標準物質を 用いたXPSスペクトルピークの相対強度比の測定精度
黒河 明 張 ルウルウ
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 30 巻 1 号 p. 28-38

詳細
抄録
XPSで定量分析するために純元素試料を測定し信号強度の相対比から相対感度係数を得る方法では,測定条件を同一にする必要がある.試料面の高さをそろえることもその一つである.タングステンとシリコンの純物質で構成され,それらの試料面の高さが同じと見なせるタングステンドットアレイを用いて,試料面の高さの違いがXPS強度に与える影響を除外した条件でピーク強度比の精度を検討した.各純物質のスペクトルピークについて,実験室温度の日間差が9 ℃である中間再現条件下で5日間の繰返し測定を行ったところ,強度比の精度は拡張不確かさで0.1%を達成した.XPS定量分析の精度はこの値程度までは改善できる余地がある.
著者関連情報
© 2023 一般社団法人 表面分析研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top