Journal of Surface Analysis
Online ISSN : 1347-8400
Print ISSN : 1341-1756
ISSN-L : 1341-1756
解説
光電子分光法を用いた原子スケールコーティングの機能性評価
小川 修一
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 32 巻 1 号 p. 21-28

詳細
抄録
六ホウ化ランタン(LaB6)は低い仕事関数を持ち熱電子源の陰極として利用されているが,仕事関数のさらなる低減と長寿命化が必要とされる.本研究では,LaB6の表面にグラフェンおよび六方晶窒化ホウ素(hBN)といった二次元(2D)材料をコーティングし,光電子顕微鏡(PEEM),熱電子顕微鏡および放射光XPSにより仕事関数の変化と化学組成を調べた.905℃加熱後のPEEM像では,hBNコーティング領域が最も強い光電子放出を示し,密度汎関数理論計算でも仕事関数の低下が定性的に確認された.一方,グラフェンでは仕事関数が増加した.これは界面での双極子効果によるもので,hBNでは外向き双極子が形成され仕事関数が低下し,グラフェンでは内向き双極子により増加することが明らかになった.
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top