Journal of Surface Analysis
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論文
斜出射EPMA法によるステンレス鋼中の介在物の分析
粟根 徹木村 隆鈴木 仁西田 憲二石川 信博田沼 繁夫
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2002 年 9 巻 2 号 p. 171-177

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抄録
凹凸が生じた金属材料表面上に存在する介在物の分析に斜出射EPMA法を応用し、その有効性を検討した.斜出射EPMA法は,平坦な表面上に分析対象物が存在することを必要とする.この条件のために,応用範囲が狭く,応用例が少なかった.本研究では,一般の走査型電子顕微鏡(SEM+EDS)で斜出射EPMA法を行う方法として,試料のZ軸上の位置を変化させてX線の取り出し角度を調整する方法を開発した。そして、この方法を腐食を施したステンレスの凹凸面上に観察された微小な介在物(約0.3ミクロン)の分析に応用した.その結果,斜出射EPMA法によって介在物の構成元素を正確に同定できることが分かった。介在物はMg,Al,Si,Ca,Ti,CrおよびMnを含む複合酸化物であり,Fe,Niは含まれていなかった.
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© 2002 一般社団法人 表面分析研究会
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