抄録
非破壊的で定量性に優れた高分解能ラザフォード後方散乱法(HRBS)を、成膜材料の表面及び表面近傍の層構造解析に応用した。Ta/Co/Ta多層膜を用いて深さ方向分解能を0.2nmと決定した。電子サイクロトロン共鳴(ECR)と化学気相反応法(CVD)の異なる方法で成膜されたアルミナ膜の組成及び層構造の解析を行い、アルミナ膜中のArの分布を明らかにした。さらに、エッチングプロセスによって生じるTa酸化層の解析を行い、酸化状態を明らかにした。また、プロセス毎に必要な酸化膜厚の管理にHRBSを効率的に活用することを目的として、表面酸化層の膜厚を容易に算出する方法を考案した。