不安症研究
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総説
子どもの精神科治療を促進・阻害する親に関わる要因
日下 桜子山口 智史佐々木 司
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2020 年 12 巻 1 号 p. 2-15

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抄録

児童・生徒は精神不調に気付きにくく,仮に気付いても援助を求めないことが多い。そのため保護者が子どものうつ・不安等の精神不調に気付き,医療保健サービスにつなぐことが重要である。本研究ではその過程にどのような促進・阻害要因があるかを明らかにする目的で,サービス利用に関する保護者側の要因について先行研究のレビューを行った。「親」「子ども」「サービス」「メンタルヘルス」「要因OR障壁」をキーワードにPubMed, Web of Science, CiNii,医中誌で文献を検索し,まとめた結果,①子どもの精神不調への保護者の気付き,②子どもの生活の障害・家族の負担への保護者の認識,③親子関係や保護者の経験・特性と,子どものサービス利用の関連が示された。一方保護者は,専門家の支援や支援システムに関する保護者の知識・認識,経済・時間的コスト等がサービス利用に関わると考えている可能性があることも示された。

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© 2020 日本不安症学会
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