人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
力学的不変量仮説:運動制御の最適化理論の上位原理として
日高 昇平
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2013 年 2013 巻 SKL-15 号 p. 03-

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抄録

本研究では、ある種の最適化としての身体運動の計算理論を再考する。その上で、既存の理論の限界を指摘し、その問題を解消する新たな計算理論を提案する。本研究で提案する力学的不変量仮説では、身体運動を本質的にある種の力学系とみなし、その座標不変な性質の推定が主たる運動の計算処理であるとする。この仮説を検討するため、5種類の身体運動の力学的性質の分析を行った。その結果、力学的不変量仮説の予測するとおり、身体の一部だけを使う局所的な動きであっても、その他の身体部位において類似の力学的性質が見られた。この結果は局所的な運動の最適化では説明できず、身体運動を全身の協調によって構成されるある種の力学系とみなせる事を示唆する。

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© 2013 著作者
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