2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 01-
近年の電子商取引市場の拡大により,宅配便事業者はさらなる輸送時間短縮の必要性に迫られている.本論文では,輸送時間短縮のため,現状の夜間のみの長距離輸送のオペレーションを24時間化した際に生じる問題点とその対処法をシミュレーションにより定量的に評価した.その結果,現状のオペレーションを単に24時間化しただけでは金額コストが大幅に増加したが,地域ごとに荷物を集約して長距離輸送を行う方式を採用することで,現状と同程度の金額で24時間輸送が可能であることが確認された.また,この方式は地域を限定して行うよりも,全地域で採用した方が輸送時間,金額コストを共に抑えることが可能であるとわかった.