人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
2016 巻, BI-004 号
第4回 ビジネス・インフォマテックス研究会
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 黒瀬 雄太, 寺野 隆雄
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 01-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年の電子商取引市場の拡大により,宅配便事業者はさらなる輸送時間短縮の必要性に迫られている.本論文では,輸送時間短縮のため,現状の夜間のみの長距離輸送のオペレーションを24時間化した際に生じる問題点とその対処法をシミュレーションにより定量的に評価した.その結果,現状のオペレーションを単に24時間化しただけでは金額コストが大幅に増加したが,地域ごとに荷物を集約して長距離輸送を行う方式を採用することで,現状と同程度の金額で24時間輸送が可能であることが確認された.また,この方式は地域を限定して行うよりも,全地域で採用した方が輸送時間,金額コストを共に抑えることが可能であるとわかった.

  • 三浦 政司, 和田 一真, 櫻間 一徳
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 02-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    「リアルタイムプライシング(RTP)」は電力価格をリアルタイムに変動させることで電力需要を制御する手法であり,供給量が不安定な自然エネルギー利用において有用であると考えられている.本研究では,自然エネルギー利用と電力自由化が進んだ将来の電力ネットワークを想定したモデルにおいて,分散的なRTPによってサブ系統ごとの需給バランスをとるような仕組みを提案し,エージェントシミュレーションを用いた検証を行なっている.ここで分散的であるとは,全体消費量などのグローバルな情報を必要としない価格調整則であることを意味する.今回の発表では特に,独自開発したエージェントシミュレータを用いた検証結果について紹介する.

  • 石川 温, 藤本 祥二, 水野 貴之, 渡辺 努
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 03-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    日経スーパーマーケットPOSデータには、日本における約300店舗のスーパーマーケットで、どの商品が、いくつ、いくらで販売されたかの記録が1998年以降1日ごとに記載されている。そのデータベースを用い、我々は、店舗別の売上と商品数には、比例関係ではないベキ的な相関があることを観測した。ある店舗の売上をS、商品数をNと書くと、S=N^αなる関係が成立し、αは約2.2の値を取る。これは、スーパーマーケットのような店舗では、商品数が増えると比例以上に売上が増加することを意味する。また、ベキ指数αは、観測した期間でほとんど変化しなかった。この観測結果は、2004年に経済物理学者であるスタンレーのグループが、企業の生産する商品数と売上に観たベキ的な相関と深く結びついていると考えられる。

  • 菊地 剛正, 國上 真章, 山田 隆志, 高橋 大志, 寺野 隆雄
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 04-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    欧州や本邦では,金融緩和策の一環として,マイナス金利政策が採られている.当該政策は,銀行の貸出金金利の低下を通じた貸出の増加・資金需要の拡大のメリットが主張される一方,超過準備へのマイナス金利適用による民間金融機関の負担増や余資運用の困難さを懸念する論調もある.本稿では,金融機関の余資運用におけるリスク投資拡大に注目する.著者らは金融機関が保有する市場性資産の価格変動による財務状況の変化を通じた連動的な破綻のエージェント・モデルを提案している.市場のマクロ的ショックを扱う当該モデルを拡張し,金融機関の余資運用にかかる意思決定を記述する.その上で,市場性資産の価格下落が生じた場合に,金融システムへどのような影響が生じるか分析を行う.

  • 海野 一則, 山田 隆志, 寺野 隆雄
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 05-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    ポートフォリオの運用において、サブプライムショック以降は、投資家がダウンサイド・リスクに敏感になっている。 ダウンサイド・リスクとして、最大ドローダウンを低減させることは長期の運用において重要な課題である。 近年、機械学習を用いた株価予測や、ARCH・GARCHを用いたVolatilityの予測についての研究は数多く行われている。しかしながら、それらの結果をダウンサイドリスク低減にどのように反映させるかについては、明確にはなっていない。また、ダウンサイドリスクの予測と、それに基づくリスク低減手法も具体化されているとは言い難い。 我々は、株式指数やポートフォリオのモーメンタムを検知し、ダウンサイドへのモーメンタムに対して,逐次的にリスク資産への投資比率を調整することで、資産価格全体のドローダウンおよびvolatilityを低減する手法を提案する。 本提案は, ファンダメンタルな情報を用いず、株価のデータのみから低減可能なリスクを検証した。 株式指数およびランダムに生成されたポートフォリオのインデックスデータを、Holt-Winters法を用いてノイズ除去を行こと。さらに変化点を早期に検出するにより、シャープレシオやカルマ−レシオ(年平均リターン/最大ドローダウンで)などのリスク調整済みリターンにおいて、一定の成果を上げることができたた。しかしながら、有効性のない変動パターンも数多く存在するため、その課題についても述べる。

  • 北澤 正樹, 吉川 厚, 寺野 隆雄
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 06-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    サプライチェーン上の製造工場では、上位顧客からの多品種の要求納期に答えつつ、在庫量や製造コストを抑えて利益を向上させることが求められている。そのため、製造部門での納期遅れやコストを最小化するスケジューリングや、倉庫部門での在庫量や発注コストを削減する管理手法といった効率化が多く進められている。しかしながら、これらの手法は部門それぞれでの評価により行われて局所最適となり、不都合が生じることがありうる。 本研究では、工場の計画と製造と倉庫部門を1つのシステムとみなし、工場全体で統一した利益評価指標を用いて運用を最適化する手法の研究構想を報告する。

  • 宮野 有未, 山崎 崇, 鈴木 達人, 太田 明, 兼田 敏之
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 07-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    法定再開発事業においては,91年の地価バブル崩壊後,床需要の予測が難しくなり、保留床が売れないためプロジェクトを完了できないケースが続出した。そのため、土地の高度利用よりも地域の床需要に合わせた規模とプロジェクト期間の短縮を重視して事業採算リスクの低減を図る身の丈型再開発が注目されるようになった。 本研究の目的は、この典型事例として納屋橋東第一種市街地再開発事業の経緯を調査したのち、身の丈型再開発のリスクマネジメント上の意味を踏まえて、仮想モデルを用いたリスクシミュレーションを通じてその効果を例示することである。 結果として,計画案を縮小する都市計画決定変更時に,再開発プロジェクトが赤字から黒字に転化したことを示すことができた.ビジネス・インテリジェンスの適用可能領域の提起としてこの報告を位置づけたい.

  • 大西 立顕, 水野 貴之, 清水 千弘, 渡辺 努
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 08-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    都市の様々な統計量Yは人口Nのベキ乗に比例し(Y∝N^β),人口が2倍になるとアウトカム(富,特許,犯罪など)は約2.2倍(スケーリング指数:β>1)に増えるが,公共インフラ(道路,病院など)は約1.8倍(β<1)しか増えない.人口集積は富の増加や効率性向上といった正のフィードバック効果と犯罪増加,地価上昇,渋滞悪化といった負のフィードバック効果を生じさせている.全国版・業種情報付き電話帳データには全国のあらゆる店舗・施設(事業所,病院,学校,公園など)の地理空間情報(住所や業種)が収録されており,4ヶ月毎に情報が更新されるため,空間的高頻度かつ時間的高精度な時空間ビッグデータになる.この電話帳ビッグデータを活用してβを観測し,都市の特徴づけを行った.

  • 内田 匠, 吉田 健一
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 09-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    Webマーケティングは今日では重要な企業の施策であるが、データの次元数が多く疎データになりやすいという傾向があり、課題となることが多い。例えば、協調フィルタリングにおいてURLやユーザなどをクラスタリングした上で手法を適応することが重要となっている。また、広告配信においてもクラスタリングを施した上で広告評価を行うことが有効である。本講演ではこの疎データの問題についてCustomer Attraction, Customer Retention, Cross Salesの3つに分類にそって概観し、その解決法について整理する。

  • 柳田 浩孝, 倉橋 節也
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 10-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿では、依然わが国で起業数の低迷が問題視されている創業企業を対象に、経営状況等について尋ねたアンケートの個票データを用い、創業企業のパフォーマンスや創業が成功を収めるための類型決定要因などの傾向をまとめた。また特に創業企業の経営者が持つ外部支援ニーズの度合いは、その経営者マインドとどのような関係性にあるのかについて検証を行った。さらに、外部支援が創業企業のパフォーマンス向上に対して、どの程度の貢献を果たしているのか確認を行った。

  • 五島 圭一, 高橋 大志, 寺野 隆雄
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 11-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では,ティックデータを用いたニュース記事の予測可能性について検証する.具体的には,過去の株式価格データから,機械学習を用いてポジネガが割り振られたニュース記事について,ティックデータを用いることで,秒単位での分析を行う.本研究の特徴は,ティックデータを用いることで現実的に取引可能であったなどの検証を行った点である.

  • 桶川 聖矢, 高橋 B. 徹, 宮部 博史
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 12-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    メタファを用いた高齢者向けゲーミフィケーションの提案 本研究においては日常的な運動習慣の習得を目的として高齢者にゲーミフィケーションを適用することを考える。しかし、高齢者を対象としてゲームシステムを利用するにはいくつかの問題が発生すると考えられる.そこで提案として歩行運動の活性化を目的としたゲーミフィケーションの要素にペットメタファを活用することによって高齢者にとって既存の知識であるペットの飼育作法をゲーム操作に活用できるようにデザインした.高齢者を対象とした試用実験の結果からペットメタファを用いたゲーミフィケーションは歩行に対する意欲向上,操作方法の理解,操作結果の推測,そしてゲームの操作に対する積極性に関して有効となることを示唆した。

  • 諸 明秀, 高橋 大志
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 13-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    ここ数年で、技術力の発展を背景に、独自の技術を用いて金融ビジネスを展開するフィンテックと呼ばれるスタートアップベンチャーが急増している。本研究では、近年盛り上がりを見せているフィンテック業界が、過去のインターネット株ブーム時と同様にバブルを形成しているのではないかという仮説のもとで、上場企業を数社ピックアップし、それぞれについて企業価値評価を行った。分析の結果、現時点のフィンテック企業の株価は、おおむね企業のファンダメンタルを反映したものとなっているとの結論が得られた。これからのフィンテック企業の動向の分析は今後の課題である。

  • 向井 大誠, 寺野 隆雄
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 14-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究の目的は、企業間提携を支援するシステムの制度設計をエージェント・シミュレーションで行うことである。この目的の背景は、近年の企業間取引における顧客ニーズの変化の早さである。企業は、ビジネス市場における顧客ニーズの種類や量的な変化を早急に捉えて、これに適応するための必要なリソースを迅速に獲得することが急務になる。このようなニーズの種類と量的な変化両方に対応できるモデルとして向井らの先行研究[1]が提唱されたが、定量的な評価が不十分である。そこで本研究では、企業数や企業間提携関係を動的に変えられるABMシミュレーションを使用し、先行研究[1]のモデルを調整・評価する。この結果を踏まえて顧客ニーズの選択、リソース獲得のための提携先の選択を支援できるシステムの制度設計を検討する。

  • 梅津 友亮, 高橋 B. 徹, 宮部 博史
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 15-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    地震が起こった際,ジレンマの伴う状況下においても自らが判断をし,意思決定を行わなければならない.そのため,本研究ではジレンマ要素を取り入れた防災マンガテキストを作成し,自らが意思決定を行い,他者の意見を取り入れられるナラティブ・アプローチの手法を用いて,防災に関する行動をとることができるかを検証した.実験結果は,防災に対する意識が向上した学習者が8割を超えたことが分かった.しかし,防災の行動を取れるとは現時点では言えない結果であった.防災マンガテキストの改良及び,より身近に対策できることはないかを考えさせられるようにしなければならない.

  • 田中 孝昌, 津田 和彦, 濱口 智大, 西郷 拓海, 西巻 孝祥, 高橋 理沙
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 16-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年,我が国のスーパーマーケットチェーンの経営において顧客来店数の減少が課題となっている.その背景には,人口の減少および高齢化による食品市場の縮小,インターネット通販の普及による食品購買手段の多様化などがある.従来,スーパーマーケットチェーンは大規模な新規出店による経営拡大戦略を採ってきたが,このような外部環境の変化に直面したことにより戦略の転換を迫られている.具体的には,変化する既存顧客のニーズを捉え,継続的な来店に繋げる必要がある.そこで,本研究では複数のスーパーマーケットチェーンの会員を対象に再来店の予測モデルを構築する.モデル構築には,伝統的な顧客分析手法と商品重量を組み合わせた新たな手法を提案し,提案手法がチェーン個別の消費者ニーズの発見に有用であることを示す.

  • 中川 勝哉, 高橋 B. 徹, 高橋 聡, 宮部 博史
    原稿種別: 研究会資料
    2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 17-
    発行日: 2016/03/19
    公開日: 2022/03/01
    研究報告書・技術報告書 フリー

    災害時における建物の安全性を評価・改善する際には、避難訓練等において個人個人の避難者が実際のどのように行動しているのかを把握することが有効となる。 しかしながら、これまでの分析法では訓練全体における個人個人の映像データすべてを分析する必要があり、分析に時間的コストがかかることが課題であった。

feedback
Top