2016 年 2016 巻 BI-004 号 p. 14-
本研究の目的は、企業間提携を支援するシステムの制度設計をエージェント・シミュレーションで行うことである。この目的の背景は、近年の企業間取引における顧客ニーズの変化の早さである。企業は、ビジネス市場における顧客ニーズの種類や量的な変化を早急に捉えて、これに適応するための必要なリソースを迅速に獲得することが急務になる。このようなニーズの種類と量的な変化両方に対応できるモデルとして向井らの先行研究[1]が提唱されたが、定量的な評価が不十分である。そこで本研究では、企業数や企業間提携関係を動的に変えられるABMシミュレーションを使用し、先行研究[1]のモデルを調整・評価する。この結果を踏まえて顧客ニーズの選択、リソース獲得のための提携先の選択を支援できるシステムの制度設計を検討する。