2016 年 2016 巻 BI-005 号 p. 09-
システミックリスクに関するインターバンクネットワークの研究が、欧州を中心にグローバルで増えてきているが、未だにそのメカニズムの解明は十分でなく、データ解析、実データを用いたストレステスト、数理モデル、ゲーム理論、等の手法で研究が行われている。一方、2016年6月のIMFのレポートでは、世界的にシステミックリスクを抱える28の銀行のリスクの度合いが示され、現状でもグローバルで高い関心を持たれていることがうかがえる。本研究では、エージェントベースモデルで構築した環境で、インターバンクによる資産損失ショックの伝播に焦点を当て、シンプルでありながら金融機関毎の特性を考慮した検証と評価を行う。