人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
SARS-CoV-2感染リスクオントロジーの提案
江上 周作大向 一輝山本 泰智伊藤 真和吏坂根 昌一網 淳子奥村 貴史
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2020 年 2020 巻 SWO-052 号 p. 02-

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抄録

感染力の強い感染症に罹患した患者が生じた際,公衆衛生当局は,患者の健康状態や移動等の情報を開示し,社会に注意喚起することがある.著者らは,この患者の移動情報を構造化し,Patient Locational Open Data (PLOD)として公開し,患者との感染リスクの把握に応用することを提案してきた.この移動情報に加えて,移動先となる場所ごとの性質や感染リスクを高める要素について定性的な情報が記述されていれば,感染リスクの自動的な評価が可能となる.しかし,場所ごとにどのような感染リスクがあるかという知識は整理されていない.また,患者側の聞き取り調査で得られる移動に関する用語の統制もされていなかった.そこで本稿では,現在感染拡大している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を対象として,場所に関する潜在的な感染リスクを定義したオントロジーを提案する.まず,これまでのPLODの取り組みを紹介する.その上で,その機能をさらに強化する感染リスクオントロジーを示し,実運用に向けたシナリオの検討と考察を行う.

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© 2020 著作者
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