日本小児看護学会誌
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研究報告
障害のある思春期女子の月経と月経随伴症状に関する研究
—保護者の認識による一考察—
津田 聡子北尾 真梨高田 哲
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2016 年 25 巻 3 号 p. 55-61

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抄録

 【研究背景】障害のある女子の月経は、障害や発達の影響を受けるとされる一方、その実態についての報告は少ない。本研究では障害のある思春期女子の月経・月経随伴症状について保護者の認識を明らかにすることとした。

 【方法】特別支援学校に在籍する女子の保護者205人に質問紙調査を行い、回収した133部を有効回答とした。

 【結果】回答者の平均年齢は45.1±6.3歳、94.0%が母親であった。質問項目は月経の初来時期や月経随伴症状測定尺度 (MDQ) に基づき構成し障害の程度別に月経随伴症状の有無を分析した。その結果、MDQ得点では定型発達女子と比較し、総合得点・症状別得点は共に低かった。また、障害が重度なほど症状は 「不明」 となり、下位尺度17項目で重度の障害のある女子と軽度の障害のある女子との間で有意差を認めた。

 【結論】月経随伴症状は、障害が重度なほど 「不明」 と評価され、障害のある女子の月経随伴症状について定量的な判定基準の確立が示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本小児看護学会
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