人工知能学会第二種研究会資料
Online ISSN : 2436-5556
非同期時系列のLead-Lag効果推定のための新しい推定量
伊藤 克哉中川 慧
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2021 年 2021 巻 FIN-026 号 p. 56-

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抄録

リードラグ効果は、金融市場のいたるところで観察され、特に高頻度データを用いた投資戦略を策定する上で重要な要因である。一方で、Lead-Lag 効果を推定するために、次の3 つの課題が存在する。(1) 高頻度データにおいては、2 つの時系列が常に同時に観測できるとは限らない(非同期)。(2) 高頻度データのサイズは大きく、応用のためには短期間で推定を完了する必要がある。(3)Lead-Lag 効果は時変的であり、かつ短期間しか持続せず、しばしば外部要因の影響を受ける。本研究では、これらの課題をすべて解決する、新しいLead-Lag 効果の推定量(NAPLES:Negative AndPositive lead-lag EStimator) を提案する。人工データセットと実際の金融市場のデータセットを用いた実験の結果、NAPLES は、重要なマクロ経済のアナウンス(外部要因) によって引き起こされたものを含め、Lead-Lag 効果と強い相関関係が確認できた。

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© 2021 著作者
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