2023 年 2023 巻 FIN-031 号 p. 150-153
近年,新しい事業への参入や既存事業の拡大を目指す企業の合併と買収(M&A)が活発に行われている.機械学習技術の急速な進化により,M&A候補企業をより効果的かつ効率的に推薦しようという試みが行われているが,現在の主流はM&A取引をカテゴリー分けする方法であり,成功の可能性が高い候補を特定するのは困難である.そのため,本研究では,日本の上場企業間で実際に行われたM&A取引事例を参考にして,適切な組み合わせの予測を試みた.有価証券報告書に含まれる財務および非財務データを利用することで,M&A取引を分類し,決定木を用いて成功事例を正確に識別できるかどうかを検証した.その結果,一定の分類精度が得られ,M&Aの推薦実務への応用可能性が示唆された.