日本調理科学会誌
Online ISSN : 2186-5787
Print ISSN : 1341-1535
ISSN-L : 1341-1535
報文
米粉を用いたカステラ生地とパイクラスト生地の熱特性
八木 千鶴德永 みな子中谷 梢中本 恵子野口 聡子山本 悦子米田 泰子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 57 巻 3 号 p. 175-182

詳細
抄録

 米粉で調製したカステラ生地とパイクラスト生地の熱特性について,米粉を小麦粉に100%置換した生地の示差走査熱量測定を行い比較検討した。

 カステラ生地の米粉を強力粉および薄力粉に置換した。米粉生地のDSC曲線は,副材料の影響で吸熱開始からピーク,終了まで100℃前後の高温を示した。生地の焼成時間が長いため粉の違いによる糊化の特徴は現れにくく,カステラ生地に米粉を使用することは,熱特性的に適していると考えられた。

 パイクラスト生地の薄力粉を米粉に,水を卵黄に一部置換した。卵黄を置換した米粉生地では,10℃付近にピークが出現したことから,早くにバターの融解の影響を受けると考えられた。薄力粉生地より米粉生地の方が,吸熱エンタルピー変化が大きく,卵黄の一部置換では米粉は吸熱ピークが低く吸熱エンタルピー変化は小さくなり,卵黄置換の影響が薄力粉より大きいといえた。

 米粉のパイクラスト生地では,卵黄の使用により調製のしやすさやでん粉の糊化の熱量を低くすることが示唆された。

著者関連情報
© 2024 一般社団法人日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top