2024 年 2023 巻 FIN-032 号 p. 45-52
近年、環境・社会・ガバナンス(ESG)の各側面を重視するESG投資が拡大している。そのようなESG投資の拡大に伴って、ESG評価は、投資判断や企業方針を導く重要な評価となっている。しかし、現在のESG評価には2つの問題点がある。1つ目の問題点は、ESG評価機関ごとに評価指標が異なっているため、同じ企業を複数の評価機関が評価した際に、評価の不一致が生じてしまうことである。2つ目の問題点は、ESGに関するデータの収集や、評価指標をもとにしたESG評価を人手で行うには、多大なコストがかかることである。ESG評価の価値をさらに高めるためには、これらの問題点を解決する必要がある。そこで本研究では、ESG評価の2つの問題点を解決するため、代表的な評価指標を包括して作成された価値モデルを評価指標として採用し、サステナビリティ報告書から、大規模言語モデルを活用し、ESG評価を自動で行う。